農場からのおはなし
1996年の$100は2025年にいくら?インフレと購買力をやさしく解説
· StockPetsチーム
1996年の映画のチケット代、スーパーでの買い物、毎月のお給料。どれも今の金額とそのまま比べることはできません。ものさしそのものが変わっているからです。そのものさしが少しずつ伸びていく現象がインフレです。昔のドルを今のドルに換算できるようになると、過去の価格も過去のリターンも、まったく違って見えてきます。
ひとことで言うと
米国の消費者物価指数(CPI-Uの年平均:1996年156.9、2025年321.943)で計算すると、物価は約2.05倍になりました。つまり1996年に$100で買えたものは、2025年にはおよそ$205が必要で、年率に直すと複利で約2.5%のインフレです。リターンがインフレを上回らなければ、購買力は増えません。StockPetsは過去の価格をインフレ調整せず当時のまま表示するので、1996年から始まる畑を名目と実質の両方の目線で読み解く練習ができます。

インフレとは?どうやって測るの?
インフレとは、経済全体で物価が全般的に上がることです。米国でいちばんよく知られている指標は、米国労働統計局(BLS)が毎月公表する「全都市消費者物価指数(CPI-U)」です。食料、家賃、燃料、医療など、幅広いモノやサービスを詰めた「かご」の費用を追いかけ、1982〜84年の平均を100とする指数で表します。
指数の水準そのものには、あまり意味がありません。大切なのは2つの時点の比率です。指数が2倍になれば、同じかごを買うのに2倍のドルが必要になり、1ドルで買える量は半分になります。この後半の部分を、経済学では購買力と呼びます。
1996年のドルを今のドルに換算するには?
昔の金額に「後の時点の指数 ÷ 前の時点の指数」を掛けます。年平均で計算すると321.943 ÷ 156.9 ≈ 2.05なので、1996年の$100 ≈ 2025年の$205です。逆から見ると、2025年の1ドルで買えたのは、1996年の1ドルで買えた量の約49%でした。
| 年 | CPI-U(年平均) | 1996年比の物価水準 | 1996年の$100と同じ購買力 |
|---|---|---|---|
| 1996 | 156.9 | 1.00× | $100 |
| 2000 | 172.2 | 1.10× | $110 |
| 2008 | 215.303 | 1.37× | $137 |
| 2020 | 258.811 | 1.65× | $165 |
| 2022 | 292.655 | 1.87× | $187 |
| 2025 | 321.943 | 2.05× | $205 |
この29年間で2.05倍ということは、複利でおよそ年2.5%にあたります。毎年きっちり2.5%ずつ上がったわけではなく、2022年の平均だけでも2021年より8.0%高くなっています。それでも、始点と終点をつなぐ一定のペースとして見ると、年2.5%前後になります。
名目リターンと実質リターン
名目リターンはドルの額を数えます。実質リターンは、そのドルで何が買えるかを数えます。両者の関係は掛け算で、(1 + 実質リターン) = (1 + 名目リターン) ÷ (1 + インフレ率) です。名目リターンからインフレ率を単純に引くのは手早い概算で、どちらの数字も小さいときにしかうまく当てはまりません。
| 名目リターン | インフレ率 | 実質リターン(正確な値) |
|---|---|---|
| +10% | 8% | +1.85% |
| +5% | 8% | −2.78% |
| 0% | 2.5% | −2.44% |
気になるのは2行目です。残高は増えたのに、買えるものは前より減っています。3行目は、ごく普通の年に現金をそのまま寝かせておいた場合です。長い期間で見ると、こうした小さな差もリターンと同じように複利で積み重なります。その計算は72の法則のしくみで紹介しています。
昔の株価を読むときに、なぜこれが大切なのか
過去の株価チャートは、ほとんどが名目の値です。1996年から2025年にかけて50から100になった株は、ドルでは2倍になっています。でも同じ期間に消費者物価も2.05倍になっているので、株価だけで見た実質的な上昇はほぼゼロです。長期チャートではインフレが目に見えないため、何十年も前からの成長は、当時の暮らしの実感よりも大きく見えがちです。
インフレは、それぞれの時代の背景も変えます。1990年代後半はインフレが低く、比較的安定していました。2009年には物価の平均がわずかに下がり、2021〜22年にはおよそ40年ぶりの高い数字が出て、2022年の振り返り記事で取り上げた利上げにつながりました。

StockPetsの畑を実質で読んでみる
StockPetsでは、1996年1月に10,000仮想コインを持ってスタートします。タネの価格は各企業の過去の月末終値に沿って動き、株式分割は調整していますが、インフレや配当は調整していません。また、どの企業も最初に記録がある月を100コインとしています。詳しくは株価がコインになるしくみをご覧ください。
だからこのゲームは、上の換算を頭の中で試してみるのにちょうどいい場所です。コインはドルではありませんし、使わずに持っているコインに利息もつきません。それでも、もし2025年のページまでに畑の価値が約20,500コインになっていたとしたら、それは米国の消費者物価の2.05倍の上昇にようやく追いついただけ、ということになります。この考え方でいえば、それを大きく上回って育つことが「インフレに勝つ」という意味です。
- ゲームの1年が始まるときに、畑の合計価値をメモします。
- その年の終わりに、新しい価値を前の価値で割ります。
- その結果を、その年のCPIの変化で割ります(たとえば2022年なら1.08)。
- 1を上回れば、その年の畑は物価より大きく育ったということ。1を下回れば、物価に追いつけなかったということです。
ゲーム自体が実質の数字を表示することはありませんし、実際の投資のリターンを測るものでもありません。何十年という時間を1か月ずつ生きながら、自分でこの問いを立ててみるためのものです。ゲームが何を再現し、何を再現していないかは、ゲームで相場の歴史を学ぶをご覧ください。
出典と計算メモ
このページの実行例は、記載された仮説値を使用した独自の計算です。
よくある質問
1996年の$100は2025年にいくらの価値がありますか?
CPI-Uの年平均で計算すると約$205です(321.943 ÷ 156.9 ≈ 2.05)。特定の月どうしで比べると、少し違う数字になります。
1996年以降の米国の平均インフレ率は?
1996年と2025年の年平均で比べると、複利で年約2.5%です。年ごとのばらつきは大きく、2009年のわずかな下落から2022年の8.0%まで幅があります。
名目リターンと実質リターンの違いは?
名目リターンはドルの額で、実質リターンは購買力で数えます。実質リターン = (1 + 名目リターン) ÷ (1 + インフレ率) − 1 です。
StockPetsの価格はインフレ調整されていますか?
いいえ。株式分割だけを調整した過去の月末終値に沿っていて、各企業が100から始まるようにコインに換算しています。インフレと配当は含まれていません。
リターンがプラスでも購買力が減ることはありますか?
あります。インフレ率8%の年に5%増えても、そのお金で買えるものは約2.78%減ります。
StockPetsは仮想コインのみを使うゲームです。このページの内容は投資助言ではなく、過去の価格変動は将来の結果を予測するものではありません。